ニュースで学ぶ英語 No.5 世界経済フォーラムでのケリー米国務長官の演説
- 2015/01/30 mizu_admin-karen
ニュースで学ぶ英語 No.5 Civilized World Will Not Bow to Threat of Terrorism, Says US Secretary Kerry
文明化されている世界はテロリズムの脅威には屈しないとケリー米国務長官が演説
ケリー米国務長官がダボス世界経済フォーラムで演説 「イスラム国の打倒から始める」 スイスのダボスで開かれていた「世界経済フォーラム」で、アメリカのケリー国務長官は「イスラム国」を壊滅に追い込む必要があるという考えを示した。
ケリー米国務長官は1月24日、スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で演説し、米国が今後もイラン核問題やシリア和平など中東の問題に積極的に関与していく姿勢を強調した。
ケリー国務長官は、イスラム過激派組織「イスラム国」について「中東全域の平和と安定を脅かしている」と述べ、国際社会が連携を強め、組織を壊滅に追い込む必要があるという考えを重ねて示した。 「まず取り組まなければならないのは『イスラム国』の打倒だ。理由は、彼らが多くの武器と潤沢な資金を持ち、中東全域の平和と安定を直接、脅かしているからだ」と述べ、国際社会が連携を強め、イスラム過激派組織を壊滅に追い込む必要があるという考えを示した。
そのうえで、アメリカ軍などによる「イスラム国」へのこれまでの空爆の結果、「イラクでは過激派組織の勢いをそぎ、シリアでは部隊の移動は困難になっている」と述べ、軍事作戦の成果を強調するとともに、「イスラム国」と戦う現地の地上部隊の訓練を本格化させる方針を示している。
Civilized World Will Not Bow to Threat of Terrorism, Says US Secretary Kerry ケリー米国務長官はダボスでの世界経済フォーラムで文明世界はテロの脅威に屈しないと演説
Davos-Klosters, Switzerland, 23 January 2015 – The civilized world will not bow to the threat of terrorism, said John F. Kerry, US Secretary of State. “The 20th century was defined by the civilized struggle to uphold values of freedom, democracy and the rule of law,” he said. We will not be derailed by criminal anarchists who illegitimately claim a religious cause, he added. Kerry was speaking at the 45th World Economic Forum Annual Meeting in Davos-Klosters, Switzerland.
ダボス・クロスター、スイス 2015年1月23日―「文明化された世界はテロの脅威には屈しない」とケリー米国国務長官はスイスのダボスで開かれていた第45回世界経済フォーラムで演説した。「20世期は自由と民主主義、法の支配という価値観を堅持するための文明化された闘争によって定義されている」と述べ、私たちが正当性のない宗教を理由にした犯罪的な無政府主義者たちによって挫折させられることはないことを強調した。
bow (~に)屈する、屈服する、降参する、かぶとを脱ぐ、従う upheld 【他動-2】(公約・原理・理想・伝統などを)守る【他動-3】~を(変えずに)続ける、維持する、(やり方を)変えない derail 【他動-1】(計画などが)狂う、頓挫する 【他動-2】(列車などを)脱線させる 【他動-3】(計画などを)狂わせる、頓挫させる
The first step is to defeat Daesh, Kerry said, referring to the rebel group also known as ISIS. They are better armed, better trained and have claimed more ground than any other terrorist group in history, he added. “Daesh represents a threat to individual nation states as well as the entire region.”
Deash アラビア語でいわゆる「イスラム国」ISIL=イラク・レバントのイスラム国を示す言葉。ISISともいう。
ケリー長官は「最初の第一歩はDaesh(ダイシュ)すなわちISIS=「イスラム国」としても知られている反逆グループを打ち破ることだ。彼らはよりよい武器で武装され、よりよい訓練を受けており、歴史上のいかなるテロリストグループよりもより多くの土地を支配してきた」と主張。また「イスラム国は個々の国々だけでなく、中東地域全体にとって脅威となっている」と強調した。
Much has been achieved by the coalition of 60 partners formed to defeat Daesh, Kerry said, but the speed of progress is not yet fast enough. To succeed, Iraq also needs to enhance outreach efforts to its Sunni population, he asserted. Referring to Daesh-controlled areas that are languishing, as well as specific atrocities, he said the world needs to see the terrorist group as it is, rather than as it claims to be. Outreach effort.
よりいっそうの努力 Assert 断言する Languish 【自動-1】惨めに暮らす、元気[活気]がなくなる、無気力になる、衰える、弱る、やつれる、劣化する、しおれる ケリー長官は「イスラム国を打ち破るために結成された60カ国の有志連合によって多くのことが達成されてきた。しかしそのスピードは必ずしも十分ではない。これを成功させるために国内のスンニ派に対してよりいっそうの努力が必要だと断言した。長官は「イスラム国」支配地区ではその勢いが失われているとし、とくにその特有の残虐性について言及、世界はテロリストが主張していることではなく、彼らの現実を直視しなければならないと語った。
To effectively combat violent extremism over the long term, we need to better understand the underlying conditions, he argued. “We can’t change minds without knowing what’s in them.” This understanding, he emphasized, is not the same as acceptance. There are no grounds of religion, ideology or politics that will ever justify the terrorist atrocities we see around the world, Kerry said.
ケリー長官は、暴力的な過激主義と長期的な効果的な戦いを行うためには、われわれは彼らがよってたつ諸条件をよりよく理解しなければならないと強調し、「われわれは彼らがどのようなものを持っているかを知らずに(彼らの)心を変えさせることはできない。世界にあふれているテロリストの残虐的な行為を正当化するような根拠ははどんな宗教や、イデオロギー、政治にも存在しない」と語った。
“Eliminating terrorists we confront today only solves part of the problem.” We need to transform the very environment from which terrorism and fundamentalism arises, he asserted. We need to take the long-term view, identify vulnerabilities early, and do more to counteract and prevent radicalization.
「今日直面しているテロリストを根絶することは問題の一部を解決することにしかならない。われわれはテロリズムや原理主義が生まれてくるその環境そのものを変えていく必要がある」と断言。「われわれは弱点がどこにあるかを早期に見つけ出し、長期的な見通しに立つ必要があり、過激主義に対抗してそれを予防するためにさらに多くのことをなしとげなければならない」としている。
Kerry concluded his address on an optimistic note – citing historic international cooperation in the battle against Ebola, new trade pacts, progress towards an international climate-change agreement, as well as steps towards a peaceful resolution of the Iran nuclear negotiations.
ケリー長官は演説の最後を、エボラ出血熱との戦いや新しい貿易協定、国際的な気候変動協定にむけての前進、イラン核交渉での平和的な決議に向けたステップーなどの歴史的な国際協力について言及しながら、楽観的なトーンで締めくくった。